全国脊髄損傷者連合会 山形県支部 脊損山形

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☆SAKIの子育て日記 1 ☆

2009/6

《 第1回 》 (平成21年6月 )

 みなさん、こんにちは(^o^)/        

車椅子でのドタバタ子育て奮闘中の私は、頸損になって今年で11年になります。受傷当時は結婚やおろか出産なんて絶対にムリなのだろうな…とネガティブ全快でした(^_^;)
ところが、もともとプラス思考なうえ、家でジッとしていられないアウトドア派な性格が功を奏したのか?物好きな旦那様にめぐり会えたおかげか?結婚&出産&育児を経験することができましたm(_ _)m

ここから、現在のドタバタ子育て戦争に突入するまでの経緯を少し詳しく紹介していきます。

11年前。受傷当時お世話になった看護士さんから「生理がある限り妊娠は可能なのだから頑張ってね。」と言われました。ケガをして、これから一生車椅子生活になるという不自由な身体になったショックを受け入れられないでいる私にとって、勇気づけようという優しさから出た言葉だったのでしょうが、なんとも言いようのない絶望感でいっぱいになりました。でも今回、子どもを持とうと決意したときに、あのときの看護士さんの言葉がとても大きな存在になっていることに気づきました。当時は言えなかったけど、アリガトウ…感謝デス。
結婚1年半後、幸いなことに自然妊娠でした。
受診したクリニックの院長先生は私の不安とはよそに「ハイ。経膣分娩(普通分娩)で大丈夫でしょう!」とアッサリかつキッパリ。まぁ、専門医が言うなら大丈夫なんだろうな…と自分に言い聞かせながらも、不安が解消した訳でもなく…。かといって帝王切開が安全なのか?という疑問にも答えが出るものでもなく。とにかく、脊損で出産した方の話が聞きたかったのですが、あてもなく。。。で、出産方法も出産後の育児も生活も不安だらけの妊婦生活。
母は不安だらけでも、おなかの赤ちゃんはどんどん大きくなるもので。尿路感染やむくみ、体重増加による褥瘡・移動時の転倒には今まで以上に気をつけて生活していました。
3回ほど転倒(*_*;しましたが、何事もなく予定日が近づき入院・お産セットも準備完了。
それは突然やってくるもので…私の場合、陣痛ではなく破水でした(+o+)!!(陣痛に気づくのか少し不安だったので、逆に良かったのかな)でも失禁なんてものの量ではなく、とめどなくジョバジョバ溢れてくる!まずは母親に電話して、車椅子に防水シートを私はオムツを。
旦那様の会社に電話して帰宅してもらい、いざクリニックへ。
母親が言うには破水したからといってすぐに産まれる訳じゃないらしい…どんなに長い戦いになることやら。
クリニックではナースステーションに一番近い部屋を用意してくれていたみたいで、ベッドの位置も車椅子で乗り降りが出来るように変えていてくれる気づかい。痛みがまだないので荷物の整理と夜10時、遅めの夕食をとって少し休もうか~と思っていたら…キターッ!!これが陣痛か?生理痛のような痛み。時間と間隔の記録をして助産師さんに伝えると、明日朝9時頃かなーということ。生理痛のような生易しい痛みは、あっという間に半端ない痛みになり、分娩室へ。血圧の上昇から陣痛よりも激しい頭痛。点滴で頭痛は治まり、いざ出産!?と思いきや出てこない…。「切開しますよ~」「吸引しますね」「上からおなか押します」((+_+))
もうどうにでもしてくれ~状態。。。
「出ましたよ~」という助産師さんの言葉から数秒…『オギャーッ』(*^。^*)
無事に出産完了。

しかし、本当の戦いはこれからでした。
出産後、時間が経つにつれて体が痛むのではなく、使えていたはずの左足・左腕までが動かない。当日も次の日も、自力で起き上がるどころか寝返りすら出来ない。これじゃ、子育てどころか介護だ。出産で後遺症が出てしまったのかと不安で夜も眠れなくなってしまった。誰に聞いても答えは「全身筋肉痛にはなるよ」ということ。実際私の足も腕も3日目あたりから力が入るようになった。今考えると笑い話になるが、当時は真剣に悩んだ。
入院中は旦那様と私の実母がつきっきりで面倒をみてくれた。私は授乳のときの慣れない抱き方と座ったときの股の痛みとで悪戦苦闘。人形では練習したけど、実際の赤ちゃんは壊れそうで、なかなか抱き上げるのにも一苦労。
なんとかかんとかコツをつかみ、家での生活も始まったがそれでもやっぱり私一人では出来ないことが圧倒的に多くて、情けないやら悔しいやらで少し(?)いや、だいぶ落ち込んだこともあった。子どもが3ヶ月になるまでは、一日がとても長くて楽しいなんて思った記憶がないくらい。それでもいつの間にか首がすわり、そうすると抱っこもしやすくなる。目が見えるようになって、笑うようになるとますます可愛くなる。ママは成長しないけど子どもが成長して扱いやすくなってくれる。私が出来ないおんぶや抱っこ・お風呂はパパと実母がやってくれる。そう割り切れるようになった。そうすると一日もあっという間に過ぎて、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち…気づけば1歳の誕生日を迎えた。
今ではすべての動作が私よりも早くて追いつかないほど。
我が子ながらヤンチャっぷりには手を焼く。
でもその成長がとても嬉しく幸せだ。
しかしこれから成長するにつれ、もっと悩むことがあるだろう。情けなくて悔しくて泣きたくなることもあるだろう。だけど私もまだママ暦1歳3ヶ月のヒヨッコだもの、先のことなんて分からない。いつかその問題も、必ず解決してまた前進できるはず。
そう信じて子育て&親育てしていこう(*^_^*)   
つづく

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