平成20年度 活動報告 《全面青色プロジェクト》実施状況
平成17年、自治体としては全国で始めて、山形県条例の中の【整備マニュアルの改訂】に
下記のような文言が盛り込まれ、『障害者駐車場の不正使用に悩まされ続けてきた!』我々に
とって大変喜ばしいことでした。
車いす使用者用駐車施設であることを明確にするために、車体用スペースにカラー塗装を行うこと。
国際シンボルマークによる塗装を行う場合、色は原則として青地に白マークとし、明確な対比を行うこと。
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このことを受け、県始め各市町村管轄の施設が順次青色に変わってきましたが、
全脊連山形県支部でも直ちに《プロジェクト》を立ち上げ普及に努めて来ました。
他県の方々からは『施工が高額では?』と聞かれます。
たしかに、改訂当初は業者委託で施工する施設もありましたし、現在でも業者委託する場合もありますが、
多くは社員や職員での施工がほとんどで、極端に下地が悪い場合を除き材料費だけの出費で、
1台分当たり5千円から1万円くらいで済みます。
社員や職員での対応が無理なときは《プロジェクト》としてボランティアを募り施工してきました。
特に昨年は佐賀県から始まり全国2番目で施行された【利用証制度】の後押しもあり、
今まで障害者駐車場そのものがなかった県立高校への青色での設置を含め、県のほとんどの施設が青色になったことで、
県内全域で民間の施設管理者の理解が深まり『青色が当たり前!』にまで普及しました。
昨年、支部《プロジェクト》が直接携わったのは65施設、96台分。
そして4年目の今年は何台分に携われるか?
施工次第HPに掲載していきますので、お楽しみに!?
鶴岡市教育委員会では今年度、支部や身障協などの要望により地域での学校の役割や子供たちの障害者の方たちへの理解などの観点から、
市内の小中学校に青色駐車場の設置を進めていくこのにし、希望のあった西郷小学校に職員作業で2台分の青色駐車場を新設した。
8/4 長沼小学校(旧藤島)
(サマーチャレンジ)
20年度《全面青色塗装プロジェクト》実施状況(その2)
車いすマークの駐車場を青色に!
( 《車いす使用者用等駐車施設》の山形県支部での取り組み )
歩行困難な障害者、特に車いすを常用する我々にとって、外出時の駐車場確保にはいつも大変な苦労をさせられてきました。
そんな中、平成17年度に【山形県福祉のまちづくり整備マニュアル】の《車いす使用者用駐車場が青地に白》に
改訂され今年で3年目、不正使用が少なくなり、極めて高い効果を得ています。
山形県支部では、改訂当初からこの取り組みが全国に広がることを期待し
《統一モデル普及プロジェクト》を組織し、普及活動を続けてきました。
初年度の17年8月には《山形県べにばな基金》を活用し、各地のボランテ
ィアさんの協力を得ながら、利用頻度の高いところから塗装普及活動をし、
どのくらい普及したかを数字で表しておりましたが、今では『《車いすマー
クの駐車場》が青色に塗られているのが当たり前』にまで普及し、数字で表すのが困難!?な状況です。
それでも、理解していただけないのか?経済的理由からか?まだまだ多くの施設が塗り換えられていないのも現実です。
そこで、19年度は山形県《NPO協働企画提案事業》に『身体障がい
者駐車施設(車椅子使用者用駐車場)不正使用根絶活動』として手を挙げ、応募12点中7団体に選ばれ塗装普及活動をしてきました。
2006年の【全脊連総会山形大会】や、その後に行われた【東北ブロック会議】
などでも《青地に白》の普及を呼びかけて来ましたが、中々広がらないようです。
山形県では、2006年の7月から佐賀県で始まった《身障者用利用証》(パーキングパーミット)制度が
2007年6月から施行されたこともあり、県立高校など今まで設置されていなかった施設にも青色塗装で新設されるなど、
県管理施設のほとんどが青色になりました。
利用証制度は、その後福井県や長崎県でも始まり、今後熊本県など数県で検討を始めているようです。
利用証制度は利用者対象範囲に多少問題があるものの、駐車場利用者が特定されることで不正使用を防ぐ大きな利点があり、
障害者駐車場に対する国の統一された基準がない今、各県は利用証制度を広めようとしております。
利用証制度を否定するものではありませんが、両方の制度を利用している山形県の会員の多くは
《青色塗装の前と後の違いを実感》していて、視認性に訴える《青色塗装》の全国普及を強く望んでいます。
全国展開しているジャスコなどイオングループでも、以前から青色駐車場にして不正使用を抑制してきました。
《青地に白》は 障害者国際シンボルマークです。
今まで緑や黄色、橙と様々な色で視認性に訴える障害者駐車場を作ってきた企業や施設管理者の方々も
《全面青色》にしてくれることを願うと共に、この山形県の活動に賛同し実行してくれる県が出てくることを期待し、
近い将来全国統一モデルになることを希望します。
(全面青色普及プロジェクト事務局)
副支部長 小 林 光 雄
《脊損ニュース2008年2月号に掲載された文章を一部手直ししています》