全国脊髄損傷者連合会 山形県支部 脊損山形

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2008年度「障害と人権」弁護士ネット例会に参加して  押切圭子

 去る7月18日(金)、米沢市を会場に「障害者雇用の現状と問題点」に関するシンポジウムと「身近な障害をめぐる法律問題・差別について」の バズ・セッション(※)が行われました。当日は大雨の悪天候にもかかわらず、県内外の施設勤務者や当事者、 障害者を受け入れる雇用者などが大勢集まり、熱心に議論を交えました。また今回の例会では北海道から沖縄まで、 全国各地から弁護士達が会場に足を運び、置賜地方の現状理解と権利擁護のきっかけづくりに一役買ってくださいました。 私が加わったバズ・セッションのグループには脊損で車椅子ユーザーの弁護士や白杖使用の目の不自由な弁護士もいて 、障害当事者の立場に立った見解を聞くことが出来ました。ですから参加者達もおおいに心を開いて発言をし、 私も今までの体験や長年山積していた思いを存分に発表する事が出来ました。また、私の症例・判例に興味を持っていただき、 真剣に質問・助言をしてくださる姿勢には感動すら覚えました。すごく力強い味方を得た気持ちでいっぱいになりました。

 この先、障害者雇用の努力義務として、雇用者はすべての障害者が働ける環境を整えなければならないそうです。 ただし、言葉で言うほど容易な事ではない事も事実です。あらゆる障害に対応する事はまず不可能であるし、 たとえそれらがすべて整ったからといって、働き手にとってのプレッシャーは拭い切れないと思います。 目に見えるバリアは取り除かれても、精神面での支えやフォローを必要とする我々にとって万全な環境での就労は程遠いのかもしれません。 雇用者と当事者の意見の擦り合わせにより潤滑な関係を築き上げる事が最重要です。関東圏の人たちから見ると、山形県、 特に置賜地域の人たちは、奥ゆかしくて遠慮深く、自分の胸のうちを明かさないのでは・・・と思われがちです。 兎にも角にも私たち自身が社会に対して情報や意見を積極的に発信する事が大切であると実感しました。

 この例会に参加したことで、素晴らしい出会いがたくさんありました。難関を突破された前途洋々の若き弁護士・・・ 障害者差別に果敢に挑むベテラン弁護士・・・志を高く持った福祉従事者の面々・・・そして障害を負っても逞しく生きる人たち・・・ 彼らの熱意に触れる事が出来たひとときは、何物にも変えがたい宝になりました。更には、かの有名な全盲の弁護士、 竹下氏にお目にかかれたことは感激に堪えませんでした。このような会への参加を紹介していただき、事務局の皆さんには深く感謝いたします。

 ※バズ・セッションとは
1グループ7,8名程度のテーブルで、フリートーキングをする、
そのワイワイガヤガヤする様が「蜂の羽音(バズ)」に聞こえる事で名づけられた。