全国脊髄損傷者連と鶴工高ボランティア部
2008年(平成20年) 8月2日(土)付け紙面より
全国脊髄損傷者連合会山形県支部(吉田七百子支部長)と鶴岡工業高校ボランティア部は31日、
鶴岡市余慶町の「協同の家こぴあ」で、障害者や歩行が困難なお年寄りのための「身体障害者等用駐車施設」
(青色駐車スペース)の利用状況などに関する調査を行った。
同支部では2005年から、県内各地の公共機関や民間の大型店舗で車いす
利用者など障害者の専用駐車スペースを青色に塗り替える活動に取り組んでいる。
これに協力する形で、県は昨年6月に「身体障がい者等用駐車施設利用証制度」を施行。
障害者や歩行が困難な高齢者、妊婦、外傷などで一時的に車いすや松葉づえを使う人を対象に、
青色駐車スペースの利用証を交付し、利用できる人を明らかにしてスペースの適正利用を進めている。
青色駐車スペースを設けた公共施設、大型店舗などは「利用証を持つ人が利用できます」などと
書かれた看板をスペース近くに設置するとともに、障害者たちが情報を得やすいように自治体に申告、登録する。
庄内地方では、民間施設の登録は次第に増えているが、公共施設の登録は思うように進んでいない。
今年3月末現在、鶴岡市が県内トップの41施設が登録しているものの、
酒田市と遊佐町、庄内町、三川町では登録施設がゼロと広がりを欠いている。
この状況を受け、同支部員の小林光雄さん(鶴岡市)は、庄内各地の駐車スペース利用や利用証普及の状況を調べ、
施設の登録数増加につなげるためデータ収集を行うことにし、鶴岡工高の生徒に協力を依頼した。
この日は小林さんと同校ボランティア部員8人、顧問の教員合わせて11人が交代しながら、
約6時間にわたり調査を行った。生徒たちは同店の6台分の青色駐車スペースについて
「使用者は健常者か、障害者や老人、妊婦などか」「利用証の有無」「停車時間」などをチェック。
健常者にはスペースの適正利用に関するちらしを渡し理解を求め、
スペース利用対象者でも利用証を持っていない人には制度の内容を伝えた。
調査に参加した石川綾さん(2年)は「青色駐車スペースを利用する健常者が
思ったより多かったことが残念。健常者のモラルが低いのでは」と話していた。
鶴岡工高のボランティア部員が青色駐車スペースの利用状況などを調査