全国脊髄損傷者連合会 山形県支部 脊損山形

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福祉学習への協力(2校)

副支部長 小林光雄

《その1》

鶴岡市立朝暘第五小学校で!!

 11月20日(水)鶴岡市立朝暘第五小学校3年生(3クラス72人)を対象に【総合的学習活動 「みんなで生きる(福祉学習)」】の時間で“肢体不自由について”の授業に講師として招かれ、『車椅子での生活のお話』と鶴岡市社会福祉協議会ボランティアセンターの福祉学習サポーター2名の方と共に『車椅子体験』のお手伝いをして来ました。

 当日は、この冬初めてまとまった雪が降った日で、朝慌てて車椅子を冬タイヤに交換して出掛けました。

 2校時併せて1時間半くらいの短い時間ではありましたが、子供たちは真剣にお話を聞いてくれ、車椅子体験でも積極的に質問するなど、大変意義ある授業であったことは、後日担任の先生に自宅まで届けて頂いた、次に紹介する《お礼の手紙》で充分感じ取ることが出来ました。

 《お礼の手紙》は全部で50通頂き、そのすべてを紹介したいほどでしたが、その一部を紹介いたします。

H・Sさん

 今日は雪の中おいそがしい所ありがとうございました。おかげで車いすのことをたくさん知ることができました。私ははじめて車いすに乗ったので、すこしどきどきしました。それに小林さんの所を聞いて体のふじゆうな人について考えることができました。今日は本当に来ていただいきありがとうございました。

K ・S君 

 冬の雪がつもっている中、朝暘第五小学校にきていただいてありがとうございました。小林さんにいろいろ聞いてわかったことがたくさんありました。けがしたところより下がふじゆうになったりすることや、体がうごかないと肉(筋肉)がおちてくることなどたくさんおしえていただいてありがとうございました。車いすたいけんもはじめてで、とてもこわくて小林さんの気持ちがよくわかりました。

S・Sさん

 今日はおいそがしい中、わたしたちのために来ていただいて、本当にありがとうございました。わたしはしかいだったけど、小林さんの話がよくわかってよかったと思います。これからもわたしたちはがんばっていくので、小林さんもがんばってください。わたしは、もしこまっている人とか、せつなそうな人を見つけたら助けてあげたいと思います。車いすも夏タイヤと冬タイヤがあるとは思いませんでしたが、冬タイヤがあることことがわかってよかったです。今日はありがとうございました。

T・A君

 今日はいそがしい中、学校に来ていただいてありがとうございました。お話を聞いて、がんばているなぁと思いました。ぼくはこまっている人がいたら助けてあげたいです。また、ちゅう車場の色ぬりもがんばってください。これからはどんどんさむくなりますが、かぜをひかないように気をつけてください。今日は本当にありがとうございました。

Y・Mさん

 小林さん、いっしょに「生きる」ということ教えてくださってありがとうございました。小林さんは車いすにのっているのに、みんなよりとっても話している時もえがおで、いきいきしてびっくりしました。自分も車いすの人にあったら気をつけて自分たちでできることをがんばります。

《その2》

~障がいを理解し、思いやりの心を育てよう~

山添高等学校福祉学習(ふれあい福祉講座)

 県立山添高等学校には『多様な進路目標を実現するために3つの群』があり、その中の一つ、福祉や救急、環境などを学んでいる【健康福祉群コース】(1年~3年計33名)では今年度(20年)《鶴岡社会福祉協議会櫛引福祉センター》の協力のもと、“車椅子に関する学習”を『車いすで生活している人』を招いて学習することとし、11月2回、12月1回の計3回4校時を使っての福祉学習に協力しました。

第1回目(11月14日金曜日)の1校時(50分)は先天性の上下肢障害で何度かの手術の後、小学1年生から車椅子を使用している秋山禄宣君(踊りサークル【フリースタイル代表】)と私とで車椅子での生活体験や現在活動している事のお話をして来ました。

 1回目の授業を受けての感想

2年 長谷川希美 さん

 秋山さん、小林さんお二人ともしっかりと自分の障害を受け入れ、一歩一歩前進していてすごいなと思いました。それにしっかりと自分の出来る範囲で仕事をしたり、社会や障害者の人達の為に福祉活動に力を入れていてすごいなと思いました。今回、秋山さん、小林のお話を聞き障害というものを深く学べて良い体験が出来ました。

 第2回目(11月26日水曜日)は2校時(110分)を使って、1.車椅子使用者の運転について(乗り方の実演、手動装置)2.車椅子操作、体験 3.車椅子バスケットボール体験を実施しました。

 当日は支部会員である遊佐町の伊藤一弥さん、酒田市の押切鉄雄さんの2人にも協力をお願いし、車椅子使用者4人と櫛引福祉センターの藤原さん、渡部さん合わせて外部協力者6人での授業となりました。

2回目の授業の感想

 2年 岡部里美 さん 

 介助する側と介助される側ではそれぞれ感じるものが違うし、だからこそ怖さが強くなるのかなぁと思いました。車イスの操作の仕方が難しいとあらためて思い、障害者の方に私は何して上げられるのだろうと考えさせられました。今まで車イスバスケをしたことがなかったので体験できて良かったと思いました。

 第2回目の授業取材で地元【荘内日報】と【山形新聞】の2社が訪れ、翌日以降の新聞に掲載されました。(以下は新聞記事)

 

 【山形新聞】(11/27付け地域版)

車いす生活「大変」山添高 走行やバスケ体験

 鶴岡市の山添高(佐藤正二校長)で26日、庄内在住の車いす利用者を講師に招いた福祉学習が行われた。生徒たちは車いすを使っての走行やバスケットボールなどを楽しみながら、車いす生活の不便さや障害者福祉の大切さを学んだ。

 障害者と交流し生の声を聞いて貰おうと、同校が櫛引福祉センターの協力で今年初めて行った。講師は全国脊髄損傷者連合会県支部の小林光雄副支部長 =同市板井川=ら車いす利用者四人が務めた。同センターが車いすを提供した。

 この日は同校保健福祉群コースの1~3年生計30人が参加した。同センター職員が車いすの仕組みや動かす際の注意点を説明。生徒たちは車いすに乗り、体育館内に設けられた坂やパイロンの間などを通過した。普通に歩けば問題なく進むことできる扉やわずかな段差が車いすに乗る人ににとっては障害物になるということを参加者は再認識していた。

 続いて学年ごとにチームをつくり、講師を交えて車いすバスケットボールの試合に臨んだ。生徒たちは方向転換やドリブル、パスなど普段と勝手の違う動作に苦戦しながら車いすを懸命に操作し、ボールを追っていた。2年の難波奨太君(17)は「車いすを思い通りに動かすのは難しい。腕を常に動かすのは大変」と感想を語った。小林副支部長は「健常者には簡単なことが、障害者にとっては大変なことなんだと分かってくれたと思う」と話していた。

 

11/28付け【荘内日報】

車いすは大変! 山添高 操作を体験、苦労学ぶ

 鶴岡市の山添高(佐藤正二校長、生徒178人)で26日、車いす利用者を講師に招いた福祉講座が開かれ、健康福祉群コースを選択する1-3年生計33人が車いすの走行体験や車いすバスケットボールに挑戦した。

 車いす利用者の生活で不便な点などを発見し、より快適な生活を送る方法を利用者と考えるとともに、相手を思いやって生活することの大切さを学ぼうという狙い。車いす体験は毎年実施しているが、実際の利用者を講師にした学習は初。障害者用駐車帯の普及活動に取り組んでいる櫛引地域の小林光雄さん、秋山禄宣さんら庄内在住の4人を招いた。生徒は今月14日に小林さんと秋山さんの講話を聞いており、今回が2回目の講座。同校駐車場で車いすから車への乗り降りの方法を見学した後、体育館に移動し、鶴岡市社会福祉協議会櫛引センターの職員から車いす操作の注意点を聞いた。体育館には、マット、ロイター版などで上り坂や下り坂、段差、でこぼこ道などの各種コースを設定。生徒は小林さんらの指導を受けながら、健常者には何でもない段差や坂などが車いす利用者にとっては大きな障害になることことを体験した。また、学年ごとにチームを作り、車いすバスケにも挑戦。授業を終えた生徒らは「段差を乗り越えるのが難しかった」「体験してみて車いすの人の苦労が分かった」と感想を話していた。来月16日には今回の体験をを踏まえ、小林さんらと意見交換を行う予定。

最終である第3回目の授業(50分)は12月16日火曜日に行われました。
この日は各学年毎に分かれて、1.過去2回の授業で『感じたこと、気づいたこと』授業でした。
2.今までの人生で嫌な思い、差別を受けたこと。 3.どうしたら嫌な思いや差別がなくなるか?
の3つのテーマをそれぞれの学年で出し合い、代表の人が全員に発表するという授業でした。

後日、3回の授業のまとめとして生徒全員からの感想が寄せられましたが、その一部を紹介致します。

1年 齋藤清香 さん

 今回の体験授業は考えさせられた事、気付いた事、思ったことがたくさんありました。そして、これからの時代はノーマライゼーション、共生社会を築き上げて行く事が大切だと思いました。今回の講演は将来を見直すだけでなく、自分を見直すことが出来たと思います。ありがとうございました。

2年 成田昌弘 さん

 今回の授業で今まで思っていた障がいを持つ方々のイメージが変わりました。自分の力で車に乗り降り出来ないと思っていました。が、自分の体をうまく使って乗り降りしたり、障がいを持っていても明るく今を生きている小林さん、秋山さんはすごいなと思いました。

3年 菅原正和 さん

 福祉交流体験授業を受ける前までは、授業でしか障がいについて勉強していなかったので、3回の交流を通してたくさんの事を学べたと思います。例えば車イス体験をさせて貰った時は車イスに乗っての段差の上げ下げが思うように出来ず大変でした。操作の方も自分の思った通り動かすことが出来なかったので、かなりの練習が必要だと思いました。

3回の福祉交流体験授業をしてくれてありがとうございました。