全国脊髄損傷者連合会 山形県支部 脊損山形

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山形県支部『全面青色塗装活動』の経緯
《脊損ニュース2月号》記事より一部追加・修正

 頚損・脊損の方が手動装置を使って運転できるようになってから50年以上。

 その方たちが使用する『車椅子使用者用駐車施設』はドアを全開にしないと乗降出来ないので3.5m以上が必要なことはご存じの通り。

 しかし私が脊損になった20年以上前、その駐車場は必ずしも必要としない人に停められ(不正駐車!?)必要とする我々が行っても停めることが出来ない時が本当に多かった。

 そんな状況に我慢できず、山形県支部ではチラシを作成し、会員・役員がショッピングセンター等でチラシ配布し啓発活動を行って居ました。

 平成16年(2004年)酒田市に住む林賀信勝さん(当時会員)が「駐車場を国際シンボルマークの青地に白にしたら不正駐車が無くなるのでは!」と考え、管理している【財団法人日本障害者リハビリテーション協会】(現在公益財団法人)に確認。「営利目的でなければ使用に問題なし」の回答を得『車椅子使用者用駐車施設』の『全面青色塗装活動』を始めることにしたのです。

 そして地元に新築工事中の《スーパーヤマザワ山居町店》の『車椅子使用者用駐車施設』の『全面青色』を《スーパーヤマザワ》社長に直接お願いし快諾され、『全面青色駐車場』第1号が誕生しました。

 そして、その資料を基に山形県支部として『全面青色の条例化』を県知事や有力県議会議員に要望し・決定。翌年(2005年)2月に施行されました。




 

 しかし当初示された『参考解説図』には『全面青色』と共に『ゼブラ入り青色』の2種類になって居ました。

 案の定、ゼブラ部分への不正駐車(上写真左)やバイク・老人車・買物カート等(上写真右)で乗車できない事が多くなりゼブラの効果が全くないことが証明されました。

 そして雪解け直ぐからマスコミの力や県議会への働きかけ、議会傍聴でプレッシャーを掛けるなどし、8月に全面青色のみ(下図)になり現在に至っています。


山形市福祉のまちづくり条例

山形市福祉のまちづくり条例参考解説図

《さらに望ましい基準》


 「絶対に『全面青色』のみ!」となることを確信すると共に、翌年(2006年)に開催予定の《全脊連全国総会山形県大会》で全国から来られる会員さんにアピールする為、7月から全県での『全面青色塗装活動』を開始しました。

 下の写真は林賀さんの指導で最初に高校生ボランティアと活動した《旧鶴岡市文化会館障害者用駐車場》の実施前と実施後の写真です。



 活動には材料代が必要なことから、県に100万円の補助金申請し認められた事も普及の大きな弾みになりました。

 又支部会員が極めて少ない米沢市周辺の塗装活動には《米沢市身体障害者福祉協会》役員と会員に協力頂いた事で全県での活動が出来たのも大きかったです。

 お陰様で平成18年(2006年)に行われた《全国総会山形県大会》では全国から来県された会員に大きくアピールすることが出来ました。

 又平成20年(2008年)6月には福島県職員と共に同県『PP制度導入検討会委員』の方々が山形県庁に『全面青色活動』状況と佐賀県から始まり、山形県で全国2番目に実施している『PP制度』についての状況を聞きに来られ、私は《全面青色活動》の《塗装手順》や《活動状況》について説明しました。

 その後、福島県の『まちづくり条例』の『施設整備マニュアル』に「車いす使用者用駐車施設であることを明確にするため、車体用スペースの路面にカラー塗装することが望ましい」と記載されましたが《青色》とは記載されず現在に至っています。

 理由は福島県に本社をもつスーパーの『車椅子使用者用駐車施設』を「やさしい色」ということで《橙色塗装》していたので「青色限定に出来なかった」と伺いました。

 そのスーパーは山形県内にも数店あり、その後の再塗装の際は『全面青色』にして頂いています。

 同じ年の10月には6月に山形県庁にも来られた、現全脊連理事で『車椅子使用者用駐車施設等あり方検討会』委員である半谷さんが県身障協会双葉支部の役員と一緒に鶴岡に塗装活動の手順を聞きに来られました。

 しかし、活動を始めて間もない2011年の東日本大震災の影響で活動を中断し地元を離れなければなりませんでした。

 震災がなかったら、この団体の活動で福島県内は勿論、今以上全国に《全面青色駐車場》が広がって居た!と思うと残念でなりません。

 その後の『全面青色塗装活動』については【プロジェクト活動】をご覧ください。

顧問・青色プロジェクト長
小林光雄