「共に生きる社会つくりを目指して」(支部長 中島幸生)
第48回山形県身体障がい者福祉大会
《主張発表》より(2016,7,22村山市民会館)
皆様、こんにちは。
本日は、このような大会において、発表させて頂きますことを感謝しております。
私は、頸髄損傷の障がいを持って、今年で21年目になります。
全身麻痺で、常時介助が必要です。障がいを持ってから、3年は落ち込んで自宅に閉じこもりがちでした。
同じ仲間から誘われることにより、徐々にプラス思考に変え、社会に出られるようになりました。
当初は、家族からの介助で生活しておりましたが、家族介護には限度があり、公的な福祉サービスが不可欠だと思います。
私は、自己選択・自己決定・自己責任という信念を持ちながら、自分の手足となる介助者がいることで、健常者と同じような日常生活をおくることが出来るようになりました。
私は様々な所へ、社会参加してみて、車いすだと断られることが多々ありました。
バリアフリーではなくても、合理的な配慮で可能ではないかと思うこともあります。
私も健常な時は、このような不便さや障がい者の苦労をわかりませんでしたが、当事者になり、初めて気がついた次第です。
この度施行された『障がい者差別解消法』は、私達にとって大変喜ばしいことです。
しかしながら、スタートラインに立ったばかりで、今後の改善課題があると思います。
差別の定義が不十分なことや、合理的配慮の提供において民間は努力義務にとどまっていることなどです。
また、車いす障がい者の立場から申し上げますと、これからは既存の建物には行政からの助成制度や、新しく作る建物には建築基準法の改善を希望します。
3年後の見直しに向けて、当事者自身が、どんどん社会参加することによって住みやすい地域社会に変えられると思います。
なぜならば、健常者と交流を深めることで、相互理解し、人間関係の再構築を図る事により、差別解消法をより良い制度に確立する第一歩に繋がるのではないでしょうか。
先月全国に先がけ、県では、心のバリアフリー推進員養成や県民大会を開催して下さいました、知事様はじめ、各関係機関の皆様に感謝申し上げます。
今後、差別解消法に向けた各自治体の条例が推進されることを切に願っております。
重ね重ね申し上げますが、障がい者自らが、地域に出ることにより、住みやすい社会に変えることが出来るのではないでしょうか。そのことを、後世に伝えていくことが、私の使命だと思っております。
最後に、障がいのある人もない人も、ともに生きる社会作りを、みんなで確立していきましょう。
本日は、誠にありがとうございました。